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世界有数の眼鏡産地『鯖江』を訪れて。vol.3

皆さんこんにちは。
いつもポーカーフェイス札幌店のブログをご覧いただきありがとうございます。

【福井県鯖江市】

国内のメガネフレーム生産90%以上のシェアーを誇っている、福井県鯖江市を中心とする眼鏡産業は明治38年(1905年)に増永五左ェ門によって誕生日しました。

現在は日本有数の眼鏡産地として有名な福井県鯖江市ですが、皆様は普段我々が何気なく掛けている眼鏡がどのようにして誕生しているかご存知でしょうか?

実は、一つの眼鏡が出来上がるまで、200~400程の工程を経て私たちのかけている眼鏡は作られています。それは自動車を1台作るのと同じくらいの工程となります。

今や、テクノロジーの発達とともに、機械生産が増え、3Dプリンターで眼鏡が作られることも出てきましたが、今作られているほとんどの眼鏡が数多くの方々の手作業によって生み出されています。

古き良き、代々受け継がれてきた職人たちの技術が生き続ける町、鯖江。

アーカイブはこちらからどうぞ

眼鏡有数の眼鏡産地『鯖江』を訪れて。vol.1
眼鏡有数の眼鏡産地『鯖江』を訪れて。vol.2

今回ご紹介させていただきますのは、創業以来100年余りの歴史を誇る、鯖江随一のセルロイド加工工場『佐々木セルロイド工業所』のご紹介です。

佐々木セルロイド工業所は大正時代末期、鯖江市の眼鏡産業の創始者である増永五左ェ門より直接の命を受けた『佐々木末吉』がセルロイド製のフレームの製造を始めたのがスタートです。

vol.1で、メガネの製作は分業制で、一つの工場で眼鏡が完成することはほとんど無いとお伝えしました。

その中で、『佐々木セルロイド工業所』は眼鏡の製造、加工の他にも、商品のデザイン・企画提案なども行っており、完成品製造まで一貫で行う数少ないセルフレームメーカーとなっています。

我々が掛けていた、眼鏡も実際に企画に携わっていたと伺い、驚きとご縁を感じさせていただきました。

こちらでは、大まかな切削や、R付けなどは機械工程が多く、型付けされたものを、職人の手作業にて、細かな下処理を行っていきます。

我々が調整などで特に馴染みのあるテンプルの芯入れの作業では今まで、空洞の中に芯を差し込むような工程をイメージしていましたが、実際はテンプル生地を高温で温め、機械にセットし、シューティングにて一瞬で差し込むことで芯入れが完了。

一見簡単そうに見えますが、わずかなズレや温度調整などで入り方が変わるらしく、技術習得には何年もかかるそう。。

また、普段検品していてあまり気にしていなかった、テンプルの曲げも、型に合わせて曲げを合わせるなど、すべてに置いて大変な手間をかけています。

細かな角も丁寧に手作業で角を落としていきます。

そして、佐々木セルロイドさんの一番の特徴といえば、プラスチック加工には欠かすことのできない『磨き』の技術力ではないでしょうか?

一言に『磨き』と言ってしまえば簡単なことですが、その磨きには創業当時から継承され続けている、職人さんたちの魂が込められています。

磨きには2つの工程があります。
一つは『バレル研磨』と呼ばれる大きな樽型のバレルに竹や樹脂などが素材の『ガラ』と呼ばれる研磨剤を入れ、バレルを回すことで磨きが掛かります。

研磨剤を入れて、バレルを回す単純な作業に見えますが、佐々木セルロイドさんは、数種類あるガラにも拘り、秘伝のレシピで調合しています。

また、バレルを回す回転数、回転時間までも細かく計算し、長い時だと数日に渡ってバレルを回し続けます。眼鏡一つの艶出しの工程にこれだけの時間がかかり、どれほど眼鏡を作るのに多くの時間を擁しているのか、想像を絶する思いです。

止めるタイミングは、長い歴史の中で培ってきた経験から判断するもので、その少しので仕上がりが大きく変わるとても繊細な作業なのです。

二つが『手磨き』です。
フレームの表情を決める磨きは、眼鏡の製作工程に置いて、最も重要な作業とも言えます。
フレーム一つ一つを、手作業で、丁寧に磨き上げらることで、機械製産では生み出せない、手作業ならではの、艶感、風合いが感じられるのです。

佐々木セルロイド工業所では、どの作業工程においても常に磨きを念頭に作業が行われています。
磨き職人さん以外も、どうすれば磨きやすくなるのか、磨きを活かすにはどうすればいいのか、工程を越えてお互いに常に連携をとりながら作業を行っています。

創業から約100年間もの間、時代を超えて継承され続けている佐々木セルロイドの『磨き』によって生まれる眼鏡は、もはや福井県鯖江市の『工芸品』と言ってもいいのではないでしょうか。

丹念に磨かれたフレームは、最終仕上げの後、検品を行います。

至る所に、貼られた赤シールは、細かな傷などがあるところに貼り、完璧な状態で出荷できるよう、最後まで細かな部分に気を配って我々が手にする、眼鏡が出来上がっていきます。

今回迄の3回にわたるブログの中でも皆様に、眼鏡が出来上がるまでの、様々な工程や、職人の物作りへの誇りを感じていただけたのではないでしょうか?

次回鯖江レポート最終章、vol.4は、これぞ鯖江ならでは、4人の少人数の家族経営で代々技術を継承している『伊部眼鏡』さんをご紹介いたします!

ぜひ最後までお付き合いください!

こちらもぜひご覧ください。

佐々木セルロイド