日本が誇る眼鏡の生産地『鯖江』 vol.3
皆さんこんにちは。
いつも札幌店ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
日本が誇る眼鏡の生産地『鯖江』のブログもvol.3となりました。
前回、前々回のブログはお楽しみいただけたでしょうか?
いつもの内容とは一味違う、眼鏡が出来上がるまでのプロセスを職人さんたちに代わり、お伝えさせていただいてますので、まだご覧になっていない方は是非こちらもご覧になってみてください。
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日本が誇る眼鏡の生産地『鯖江』 vol.1
日本が誇る眼鏡の生産地『鯖江』 vol.2
今回は、60年以上の長い歴史を持つ、眼鏡フレームの製造を担っている『岩佐眼鏡』さんのご紹介です。
【岩佐眼鏡】

岩佐眼鏡さんでは、主にメタルフレーム製作の工程を見させていただきました。
フレームの形が出来上がった後のメッキや鼻パットの取り付け、プレフィッティングもこちらで行われています。

フレームの製造は各パーツごとに作られていくのですが、その前にパーツを作るための『治具(じぐ)』と呼ばれる器具を製作するところからスタートします。
治具というのは、パーツの成形や固定をするために使用する器具で、眼鏡を作る工程には必要不可欠であり、デザインによって一つ一つ治具の形状も変わり、また左右の形も違うため、右と左それぞれの治具が必要となります。
治具は各パーツごとに用意されるため、かなりの量が保管されていて、リピートのモデルを作る際は、まず治具のセッティングから始まり、セッティングだけでも丸一日かかるそう。
そして上手くセッティングされているかを確認するために、パーツを2〜3個試し打ちをして、それから製作に入る事になります。
工場を訪れるまでは、まさか眼鏡を作る前に器具から作られているとは想像もついていなかったので、さらに興味が掻き立てられたのと同時に、この時点ですでに日本の技術力の高さにとても感銘を受けました。


広い工場の中には、それぞれのパーツを作るための機械が何台も設置してあり、納期のスケジュールに合わせて、効率良くパーツの製作が行われていきます。
チタンフレームは専用の溶接機で、智元、丁番、ブリッジ、クリングスをロウ付けして取り付けていきます。
ブリッジパーツはロウ付けを行う前に、まず長さを短くカットする工程があり、これも機械を使って職人さんの手作業によって行われています。
この長さもミリ単位でクリングスが付いた時の距離感が変わってくるので、熟練された職人さんの感覚が重要となります。
これまでのブログをご覧いただいた方はお気付きかと思いますが、細かな作業こそ、積み重ねてきた経験と技術から成る、まさに職人技といえるのではないでしょうか。



ロウ付けするにあたり、金属同士を接合しているのかと思いきや、パーツとパーツの間に1mmあるかないかの溶剤となる、とても小さなチタンを挟み込み、そのチタンが溶けてパーツ同士が繋がっていくのです。
チタンの場合のロウ付けを行う時の温度は、なんと1000度といった、熱いという言葉では表せないほどの温度が必要となります。その温度も高すぎてしまうとチタンが切れてしまうため、適切な温度設定をしていきます。
メタルフレームの場合、見た目が細くて華奢な事もあって、壊れてしまうのではないかと懸念される方もいらっしゃいますが、ご覧の通り、かなりの高温をあてない限りは耐熱性も非常に高く、強度に優れた素材なのです。
機械にセットして取り付けていくのですが、その際に必ず機械でガスを入れながら行います。
なぜガスを入れるのかというと、ガスをかけながらじゃないと酸化膜が張ってしまうため、その状態を防ぐためにはなくてはならないのです。
ガスは機械が細かい時間を計算して、自動的に出る仕組みになっています。
機械性能の発展と、職人さんの長年の経験で培った技術が融合され、デザインと掛け心地のどちらをも兼ね備えた、一本の眼鏡が出来上がります。


次回は、今回が初めてとなる、メタルフレームを専門として製造を行っている『エレガント眼鏡』さんをご紹介いたしますので、そちらもお楽しみにしていてください!
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岩佐眼鏡