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日本が誇る眼鏡の生産地『鯖江』 vol.1

皆さんこんにちは。
いつも札幌店ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

昨年に続きまして、今回は国内随一の眼鏡大産地である福井県鯖江市に、スタッフの佐藤と山谷が実際に工場を訪れ、職人さんたちのご厚意で、眼鏡作りの背景を見させていただくといった大変貴重な機会を体験させていただきました。
そのご様子をお伝えさせていただきますので、是非お付き合いいただければ幸いです!


はじめに、なぜ眼鏡が鯖江市で作られているのか、皆さんはご存知でしょうか?

鯖江市は当時、農業が盛んで農業以外の産業がほとんどありませんでした。
冬の間は農業ができないため、そこで農閑期の副業として増永五左衛門(ますながござえもん)は眼鏡製造に着目し、明治38年に大阪から職人を招いて、住人たちに技術を学ばせた事が鯖江市が担う眼鏡作りの原点となっています。
眼鏡作りが農家の副業として次第に鯖江市全体に広まっていき、昭和はじめごろには日本一の眼鏡枠産地へと大きく成長し、そして、技術を習得した職人たちがパーツごとに分業制にした事で、鯖江市のまち全体が一つの工場として眼鏡作りを行うようになりました。

眼鏡は一つの工場では完成されず、それぞれが専門とする技術の工程を経ていく事で一本の眼鏡が完成します。
普段掛けている眼鏡がどのように作り上げられているのか、まずはその土台となる生地屋さんからお話させていただきます。


【KISSO】

眼鏡も洋服と同じで、眼鏡に形成される前の土台の事を生地と呼びます。

セルフレームに使われているプラスチックの生地は、『石油系』と『植物系』の2種類に分かれていて、現在は石油系のプラスチックが多いですが何十年後かには枯渇すると言われているそうです。

もう1つの植物系のプラスチックは、綿花や高純度パルプといった自然にかえる原料を使用しているため、地球にも優しく、世界的にも広がってきているSDGsの取り組みにも当てはまる、体にも優しい有機物を使用しています。
まさか硬質な眼鏡があのふわふわした綿花から作られているなんて、初めて聞くと驚きですよね。

アセテート生地の製造方法は、生地の柄によって『押出製法』『ブロック製法』の2種類に分かれます。

押出製法は、材料に柔軟性を出すための可塑剤を混ぜて、ペレットといわれる小さな粒状に形成し、ペレットがノズルを通り、そこから色が吹き出されて単色などの機械的な色を作り出すのが特徴です。
単色の他には、ササ柄やツートーン、グラデーションのカラーが押出製法によって生み出されています。

ブロック製法の特徴としては、押出製法によって作られた単色の生地を小さく切り、その小さく切った生地を規則的や不規則的に並べては固めて、また小さく切ってを何度も納得がいくまで繰り返し、複雑な模様を作る事を得意とします。

出来上がった生地は、1mmの厚さに対して約5日〜7日ほど乾燥に時間を要するため、分厚い生地になるほど2ヶ月近くの期間がかかります。
眼鏡が形になるまで、まだまだ道のりは遠いですね。。

黒だけでも少しずつ色を変えていて、10種類以上のバリエーションがあり、カラーの種類の豊富さや色味が群を抜いて綺麗な事もあり、多くのデザイナーさん方が足を運び、生地の色を吟味して選んでいきます。

流行になるカラーは毎年ヨーロッパのデザインスタッフと話し合い、イタリア・ミラノで開催される国際見本市の『MIDO』や、フランス・パリで行われる『Silmo』といった、アイウェア業界を代表する二大展示会に合わせて作られるとの事。流行色は、国際流行色委員会、通称『インターカラー』という機関で考えられていて、毎年1年先のシーズンに合わせたカラーが選定されているそうなのです。

今季の眼鏡のトレンドカラーでいうと、オリーブやグリーン系のカラーが各ブランドで目にする機会が非常に増えたので、感度の高いデザイナーさんはもしかするとそこから影響を受けて、新作のカラーを選んでいるのかもしれませんね。

生地を作るための色を考えているデザイナーさんは女性の方が多いようで、出来上がった数百種類ものサンプル枠の品番は、番号ではなく人の名前や山の名前から付けられている事を教えてくださり、そういったポイントも女性ならではの柔軟な発想なのではないでしょうか。

デザイナーさんと職人さんの技術により、細かな柄の配色や色味など、強いこだわりがあるからこそ試行錯誤して、時間をかける事でスペシャルな生地が出来上がるのです。

こうして出来上がった生地は、次の工程となる生産工場へと運ばれていきます。

その様子はまた次回ご紹介いたしますので、楽しみにしていてください。

こちらも是非ご覧ください。

KISSO